葬儀・法事等の御礼として僧侶・寺院にお渡しする金品のことをお布施といいます。

最近ではお布施についてさまざまな議論がありますが、西念寺のお布施に対する考えを分かりやすくお話したいと思います。

仏教の考え方の根本に生きとし生けるものはみな尊いというものがあります。私たちのいのちはそのままでかけがえのない尊いものなのです。しかしながら、日常的には他人の評価や自分の評価などにしばられているのが私たちです。特に現代では経済的な価値が、私たちを強く縛っているのではないでしょうか。ある程度の損得は大切なことではありますが、生死という人間にとって根源的なところまで損得の価値で覆われてしまうことは大変つらく悲しいことです。

西念寺では、私たちが仏より願われたかけがえのない存在であるということを、少しでも感じとって安心していただけるような仏事、行事を行うように心がけています。人が地位、名誉、財産等に関係なく一人の人間としていのちに向き合える、そんな場と活動を維持していくためにお布施をお願いしています。

誰のものでもない、仏さまのものであり、みんなのものである、そういう場があってこそ、世俗から離れ、安心した雰囲気で、大切ないのちに向き合うことができるのではないでしょうか。西念寺の僧侶もお布施の多寡に関係なく、いのちの尊厳を大切にした仏事を行うよう勤めておりますので、何とぞご理解、ご協力のほどをお願い申し上げます。